花押の説明 |
|
花押は署名していたものが記号に代わり署名者本人と他者を区別する為
図案化し特殊な形の花押が作られるようになりました。
花押の押すという字には署名するという意味があり、花のように美しく署
名したものをいいます。
起源は中国の唐の時代に始まったと考えられております。
日本では奈良時代から使用され始めました。
奈良時代から戦国時代後期までは花押を判といっていたが織田信長ら戦国
武将が私印を自由に使用するようになったため、区別するため花押を(書
き判)といい印章を(印判)というようになったのです。花押は判を加え
るといい、印鑑は判を押すといいます。
現在作られている明朝体(徳川判)は明の初代皇帝がこの形の花押を使用した
ことにより徳川家康が取り入れ採用され代々の将軍に受け継がれ現在の
花押の基本の形になっています。
明朝体の花押は上下に横線を書きますが、天地陰陽を表しております。
詳しくは花押の作り方をご覧下さい
花押を大きく分類しますと草名体、一字体、二字合体、明朝体(徳川風花押)、
別用体(数奇者風)です |
花押の使い方 |
|
花押は本来署名する意味があるので普通に名を書いたうえに花押を加えるこ
とはなかったが、その後意味や起源をしらない人が増えてたり名前と関係ない
文字の花押が作られようになり署名してさらに花押を加えることが一般的に
なってきて徐々にこれが正式な使い方となったのです。
元来は官職・姓などの次に加えるのが原則であり、通常、日付けの下に書い
ていた。部下から提出された文章に認可を与える場合は文章の前や後の余白
に花押を加えていました。文章の前や後の余白に花押を加えたものを袖判といい、
奥の余白に花押を加えたものを奥判といいます。
所領や財産を譲渡された場合これを幕府に届け出て承認してもらう文章に届
出をだす代理者が袖判を加えて渡す。袖判はこういうような使い方をしました。
奥判の使用例は戦で手柄をたてたとき上司に証明してもらい後で恩賞をもら
うときの証拠とするのが軍忠状、又は戦場に遅れをとらないで馳せ参じたこ
とを証明してもらうものが着到状です。どちらも通常は奥の余白の所(文章
の左端)にいっけんおわんぬ(一見了)とか、うけたまわりおわんぬ(承了)
と書いて記名せず花押のみ加えていました。
現代は記名の次に花押を加えるのが一般的です。
政府閣議における閣僚の署名は、明治以降現在も、花押で行うことが慣習
となっています。
企業での稟議、官公庁での決裁などに花押が用いられることがあります。
花押に署名としての効力はあり、押印を要する文書についても花押を押印
の一種として認めるべき旨の見解(自筆証書遺言に要求される押印など)
が現れるようになりました
|
花押の書き方 |
|
|
|
筆順は特別な決まりは無いのですが、通常は
最初に命運点を書き、最後は降魔点または
荘厳点を書くことが普通です。
|
花押と印鑑 |
|
印鑑も花押その文章が真実であることを証明するために押すのです。
元来高貴で身分の高いひとは印鑑は自分で押さず係りのものに押させるのが
普通です。たいへん重要な場合や丁重に礼をつくす場合は印鑑ではなく花押
を本人自ら書いて誠意を相手に示し事の重要性の証となるわけです。
現在は印鑑は公的な役所の申請や銀行金融、商取引などその他一般に使用し
ますが花押はそれ以外の各流派の允可、免許、許可書、伝授、得度、受戒、折り
紙、証明書、認可、や通達書、文書決済判などに用い使い分けをすれば重みと
風格がでると思います。
歴代総理大臣、各大臣、政治家、宗教家、財界人、芸術家、文化人など知的で
地位や身分の高い方々が使用しています。
一般の方でも花押を持っている人はクラスが高く思えます。
|
|